小学校・幼稚園・保育園などの先生へ

点検の取り組み事例

特別インタビュー

講習会で広まった日常点検の重要性とは

三重県津市では、日常点検を担当する学校・園の先生や職員が安全に対する知識と確かな技術を修得し、安全点検を行うことができるように日本公園施設業協会に講師を依頼し、毎年「遊具の日常点検講習会」を開催していらっしゃいます。 教育委員会事務局、健康福祉部と現場の先生に、取り組みのきっかけや成果をうかがってきました。

津市の取り組みについて
取材にご協力いただいた三重県津市教育委員会事務局、健康福祉部の皆さま(右より教育研究支援課指導主事 敷地様、教育総務課経理・指導担当副参事 家城様、健康福祉部子育て推進課担当副参事 川崎様、教育総務課副主幹 小坂様、健康福祉部子育て推進課 長谷川様)
校庭遊具の日常点検の取り組み状況について教えてください。

津市では、遊具・屋外体育用具(鉄棒)の日常点検を、小学校53校、中学校22校、幼稚園39園、保育園25園で実施しています。
毎月1回、各小中学校や幼稚園・保育園の先生が中心となって、遊具ごとに作成した日常点検表を使用して点検を行っています。
日常点検で少しでも気になる箇所が見つかった時は、担当課に連絡するようになっています。遊具の修繕を必要とする際は、業者に依頼し、修繕を行っています。
適切に点検ができる人材育成にも取り組み、津市としての「遊具の日常点検講習会」を毎年開催し、今年で3回目を迎えましたが、延べ367人が参加し、技術の向上を図っています。

日常点検に取り組む動機やきっかけは何でしたか?

現在のような日常点検に取り組むようになったのは、平成25年度(2013年)からのことです。始める以前は遊具の保守点検業者による点検を依頼しており、その時に特に事故などがあったわけではありません。
しかし、遊具で遊ぶ子どもたちに、これまで以上に安全な状態で遊具を提供できないかと考え、国の動向や他市の状況などを調べました。 そして、都市公園の遊具の安全確保に関する国の指針があり、この指針に基づく専門業者による定期点検や遊具の管理者による日常点検が、遊具の異常箇所の早期発見や事故防止の観点から非常に有意義であることを知りました。それを津市にも取り入れようと考えました。
実現に際しては各所への調整も大変でしたが、津市の全校全園を対象として始めることができました。

取り組んだ成果や、現場の先生の声を聞かせてください。

成果としては2つ上げられます。
ひとつは遊具の不具合の早期発見につながることです。発見されて報告を受ければ、すぐに専門業者に修繕を依頼しますので、結果的に子どもたちが常に安全な遊具で遊ぶことができるようになりました。
ふたつ目は、先生方の「安心・安全」に対する意識の向上につながっていることです。始める時は「点検のプロではない自分たちがどこまでできるのか」、「自分たちにとって新たな負担になりはしないか」という不安な声があったのも事実でした。
それも日常点検講習会を中心とした取組みを進めていくうちに、日常点検の意義を理解していただき、「自分たちが預かっている子どもたちの安心・安全は自分たちができる範囲で守っていく」という意識に変わっていきました。

これからの取り組み方針をお聞かせください。

日常点検の取り組みは3年間行ってきたので、すっかり軌道に乗った感はあります。これからもこの規模で、今以上に意識を高めて取り組んでいきたいと思います。
また、子どもの体力低下に警鐘が鳴らされている昨今ですが、遊具には体力を高める運動ができる雲梯や登り棒、鉄棒なども含まれているので、そうした面からも意義があると思っています。

津市立誠之小学校の取り組みについて
取材にご協力いただいた津市立誠之小学校教頭 片岡様
校庭遊具の日常点検の取り組み状況について教えてください。

誠之小学校では、日常点検講習会の講習を受けた者を含む2名の教員がペアを組んで、月1回必ず実施しています。点検表はファイリングし、前月と当月の違いに留意したり、年1回の専門業者が行う点検結果も参考にしながら実施しています。

初めて、日常点検講習会に参加した時の感想を聞かせてください。

ひと言でいうと、安全に対する意識面が変わりました。講習会の中で特に参考になったのは、実技の面でした。目で見て、触って、たたいて音を聴くなど、まさに五感を駆使して点検する方法を分かりやすく教えてもらいました。 以前はブランコに自分が乗ってみて、大丈夫だったら安全だと思っていましたが、ジョイントのさびや座る板のネジがゆるんでいないかなど、具体的な着眼点を知ることにより、正しい適切な点検ができるようになりました。

これからの取り組み方針をお聞かせください。

今後も取り組みを続けていきます。遊具は体育の時間でも使いますが、子どもたちは休み時間などを利用して、とにかく外に出て遊ぶことが身体づくりや様々な点で重要です。また、幼稚園や保育園から小学校に上がってきた子どもたちにとって、小学校にあるスケールの大きい遊具はとても魅力的に見えるのではないかと思います。そうした中で、安全で楽しく遊べる遊具であることが非常に大切だと考えています。